鋳☆いんがむ
漫談/酉の市雑感
アクセス数:102 サイズ:11.8KB(middle) 投稿日時:2016年12月31日 03時22分 更新日:2016年12月31日 03時22分 投稿者:鋳☆いんがむ


※これから行う漫談は実話をベースにしたフィクションであることをお含みおきください。



こんにちは。みなさんは「酉の市(とりのいち)」というイベントをご存知でしょうか?
詳しい説明はWikipedia等に譲りますが、主に関東の神社で行われる年中行事でして。
市に出た露店で商売繁盛の縁起物として飾り熊手が売られ、それ以外にも
境内から周辺にかけて多数の屋台が立ち並ぶという、まあある種の縁日ですね。
中でも特に有名な浅草・鷲神社(おおとりじんじゃ)の酉の市は毎年の風物詩としてニュースで取り上げられたりするので
関東以外にお住まいの方もその参拝者でごった返す様子を目にしたことがあるのではないでしょうか。

さて、この酉の市、先の鷲神社など東京の有名どころでは11月の酉の日に行われることが多いのですが
僕の住む埼玉ではたいてい12月に行われてまして。
今年も地元の酉の市に行ってきたんですけど、今日はそこで見たこと思ったことをつらつらと。


まず酉の市の醍醐味といえばやはりいろんな食べ物の買い食い。
でもぶっちゃけた話…「安かろう不味かろう」って言い回しがあるけれど、屋台の場合「高かろう不味かろう」ですよね。
ワイワイにぎわう中を歩きながら食べる“楽しさ”に誤魔化されるけど、冷静に考えると
こんな大雑把に調理されて紙やらパックやらに乗せられた食いもんに何ウン百円も出してんだろう…ってなりますよね。
お好み焼き屋台の準備なんか見ちゃうとね、もうワイルドですよ。
粉をポリバケツに溶いてガーッとかき回し、バットには業務用のソースをドバドバ~!そりゃ大味にもなるわと。
特に粉もんなんて安い原価で腹が膨れるのに、どこも500円とか取って。我々が腹を肥やすほど売り手は懐を肥やしてるんですよ。

で、懐を肥やすといえばいやらしい売り方。串焼き――いわゆる焼き鳥サイズじゃなくて
バーベキューみたいにでっかい肉が長めの串に4つ5つ刺してあるようなやつ――を売ってる店で
「300円」の表記を見かけて思わず「カルビください」なんて言ったら「あいよ、500円!」「えっ」ってなって、
よく値段のプレートを見ると「300円“~”」となっているという。この場合300円で買えるのは肉分の少ないねぎまだけで、
肉肉しいのは500~600円、下手すると700円するようなのもあるから騙されちゃだめだぞ!
ついでに騙されるなといえば焼きそば。「超大盛」などと銘打ってあってこんもり大量に見えるけど
小さいパックに詰めることで相対的に多く見えるだけですから!

一方で量の割りに時間だけは相当持つ食べ物がりんご飴ね。カチッカチで食べ進めるのにめっちゃ時間かかる。
だからまだ同伴の親に都度買ってもらってる子どもなんかは、うっかりりんご飴購入しようものなら
次に欲しいもの親にねだっても「まだりんご飴食べ終わってないでしょ!」って言われて延々食べ終わらないうちに屋台を回り終えちゃうぞ。
だからせいぜいみかんとかあんず飴にしときなさい。


話は変わって。屋台の食べ物って毎年ニューフェイスが登場するんですよね。
チキンステーキ、スティックワッフル、トルネードポテト、イタリアンスパボー、カリカリチーズ揚げ、鶏皮餃子などなど…
いずれも、どこかが火付け役って感じじゃなくて前年0店からとある年に突如何店も出現したんですよね。
雨後の筍ならぬ“雨降ってないのに筍”。ちなみに2016年は揚げパンとクロワッサンたい焼きがこれでしたね。
あと、新顔ではないけどから揚げはブーム以降急激に増えましたね。マヨネーズやソースなどのかける物がいろいろある店や
カレー味などのバリエーションがある店、「黄金のからあげ」みたいに名前でブランド感出してるところもあって戦国時代ですよ。
ただこれも「不味かろう」が牙をむく。
数多ある中から選んだから揚げ屋台で冷めきってるのを渡された挙句、味付けが好みじゃないヤツだったりすると地獄ですよ。
最低限揚げたてのところを見計らって買うべきですね。

…そうそう、新顔関係では海外からの刺客も無視できない。
タイラーメンなんかはかなり昔からあったものの、21世紀に入ってトルコのドネルケバブが売られるようになり、
近年になって中国発祥の餡餅(シャーピン)、韓国のトッポキ…とあまりに国際色豊か。ちょっとしたシルクロードか!と。
日本は八百万の神の国とはいえ神社で異文化混ざり過ぎぃ。

しかしこう年々屋台がバラエティ豊かになっていく中、ところどころ「七味唐辛子」やら「乾物」やらといった
神社屋台の原点みたいな店がちょこんと居て、そういうの見ると何か安心感のようなものを覚えますよね。別に買うわけじゃないのに。


さて、今度は食べ物以外の屋台の話。やっぱ代表格は金魚すくいですかね。
僕も子供のころはよくやりましたよ。でも大人になると見方が変わってきますね。
ボウヤたち、君らは無邪気にすくってるけど持って帰ると次の休みにお父さんが大変になるんだよ…。
あまつさえ亀すくいですくうの成功しちゃった時など…。

その点、あとの面倒がないのがスーパーボールすくい。
で、近年はその派生として人形すくいや宝石すくい――宝石といってもアクリル製のおもちゃですけどね――
といったものが出てきたんですけど、去年そこに新規参入したのが「ツムツムすくい」!
あー、これ考えたヒトはビジネスチャンスをすくい上げたかー。
さておき、水槽に浮かぶ人形自体はライセンス品だからいいとして、のぼりとかポップに
手描きしたネズミーとかのキャラが掲げられてると「アウアウ!」と思っちゃいますね。某D社の人に見つからないことを祈りますわ。

あとアウアウといえば輪投げとか玉入れ系のゲーム屋台ではアイドルのポスターとかの実写景品ゾーン、
その端っこの方に…その…あだるてぃ~ないかがわしいものも並んでたんですよ、昔は。
でも数年前から姿を消してしまって、「あー、こんなところにもコンプライアンス化の波が…」と感じずにはいられなかったですね。

しかしゲームやくじ引き系屋台の景品、グッズもの屋台の商品といったものを眺めていると
その年の流行りや時代の変化といったものが見て取れるんですね。
例えば一昨年・去年あたりはそれまでの“ポケモン枠”を妖怪ウォッチが浸食してたり。
ま、今年はポケモンGOの大ブームで捲土重来、妖怪たちとせめぎ合っている感じですけども。

で、この手のでわかりやすい例がお面屋さん。大体その年のライダーや戦隊やプリキュアが並んでいて
「今年は彼らが平和を守っているのかー」と意味もなく確認したりしてね。
あとはまあ定番のドラえもんやハローキティ、絶賛戦争中のピカチュウとジバニャン、それからおそ松さn…おそ松さん!?
いやはや、すごくブームになったとはいえこういうところにまで進出してきますかー。ちょっと腐ってる人向けなんですかねえ。
きっちり6種類のお面が並んでるけど、店主は絶対どれが誰松かわかってないぞ。

でもね、ほんとキャラクターものの景品やグッズってちびっこ向けだけじゃないんですよ。
ラブライブ!とか初音ミクとか艦これとか明らかにそっちの層を狙ったフィギュアやらなんやらがある。
ま、さっき言ったアダルト景品に比べれば至極KENZENですけどね。
ちなみに女性向けも黒子のバスケやらハイキュー!!やらのクリアファイルだの下敷きだのがあって、
そして今年は…おそ松さんが並んでたー! そんな需要あるのかー!


…あ、そういえば食べ物系でありながらキャラ物でもある屋台がありましたね。綿菓子です。
今どきはキャラクターのイラストがプリントされた袋に入れて売られるのが当たり前になってますからね。
子供には裸で売るよりパッケージした方が訴求力バツグンと。
まあラインナップはお面と同じような感じですけどね。男児向けのヒーローもの。女児向けのプリキュア等。
でもってポケモン、妖怪ウォッチ、おそ松s…おそ松さーーーん!!!
ここもかよ! ここも浸食してるのかよ! さすがにこれはどの層狙ってるのか理解しかねるよ!?
子供には上級者向けすぎるアニメだし、おそ松クラスタが袋入り綿菓子買ってる姿は痛々しい絵面しか浮かばないし!


……コホン。ちょっと興奮しすぎました。話題を替えましょう。
あのー、「かた抜き」ってオトナの遊びだと思いません? ほかのゲーム系屋台で得られるゲインはあくまで
「景品」という形でなのに対して、かた抜きは成功すれば現金が返ってくるというワンチャンあるシステム。
でもそうそうは成功できず、「これで軍資金増やしたれ」と思ったものがむしろ散財して終わるという。
これで懐に余裕があると、なまじ投資した額が返ってくる可能性があるから今度こそ取り返そうとして余計深みにはまるという負のスパイラル。
これって子供にギャンブル依存症の怖さを教えるためにやってるんじゃないかって気がしますよ。
なんならニートの松野6兄弟がかた抜きに金つぎ込んで身の破滅を招く啓発アニメがあってもいいくらいですよ。


さて、最後に。神社へ来てるんですから一応お参りはしておかないと…と思うわけですが、そりゃまあ社殿への参拝者列はとっても混雑してるわけで。
自分の前に並んでたカップルの女の方が「もういいよ。たこ焼き買って帰ろ」なんて言ってドロップアウトしたり。
けっ! どうせお前、ランドとかシーとかでは2時間でも待てるくせに!

…すいません、独り身のねたみです。

では自分の番が回ってきたところで、

(チャリン)

(パン、パン)

――来年が皆様にとって良い年でありますように。ありがとうございました。
題材: 酉の市  縁日  屋台 
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平均評価:2.0 ☆合計:0 評価者数:1人
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評価者:BONBORI 評価:2 投稿日時:2017-01-02 15:51:38
・明けましておめでとうございます。
・最初の一行で途中で何か珍事件が起きるのかと期待して読んでいたのですが、特に何も起きなくて肩透かしを喰らいました。フィクションだと言うならもっと面白い嘘を入れて欲しかったです。
・これだけ長々と語っておきながら盛り上がり所がおそ松だけと言うのは、漫談以前に前口上や枕話として読んでもキツイです。
・酉の市という渋い舞台を選んでおきながら、普通の祭りにでもありそうな屋台のことしか語らないのは勿体無いと思います。熊手の話とかもっと聞きたかったです。
・最後の落とし方は好きです。縁起の良さだけはしっかり感じ取りました。